導入事例:テラスマイル株式会社様

農業のデジタル革命を起こし、

農業の自律化を目指す

 テラスマイル株式会社は、農業に特化した経営分析クラウド「RightARM」を提供しています。2019 年2月には組織体制の強化と、サービスメニューの拡充のため、シードラウンドにてベンチャーキャピタル、事業会社、個人を引受先とした第三者割当増資により、総額約7,200万円の資金調達を実施しました。

RightARMを立ち上げたきっかけ


 農業界の流れとして、少子高齢化もあり就農者が減ってきています。その中でも、売上3000万以上の規模を拡大していく若手生産者が増えているのがここ10年の傾向としてあります。彼らは、農業のプロであっても、経営のプロではないので、自分のコピーをつくること、規模が拡大していく中で経営力を育てること、という課題に直面しています。このままでは、日本の農業が衰退してしまうという現状があります。

 一方で、テラスマイル株式会社は「楽しく働く街づくり」というミッションがあるのですが、街づくりをするためには経済が整っていなければいけません。宮崎や日南など、都市圏以外は財政の半分が地方交付金で賄われています。しかし、農業は基幹産業といわれながらも、税収が税金の1%にも満たないのです。それだけ農家さんたちは稼げていないし、経済に貢献ができていないのが現状です。この現状をみて、私は農家さんたちの経営力を強化して、しっかり自立経済をまわしていく街をつくりたいと思い、その手段としてRightARMを開発しました。

課題


 以前のバージョンのRightARMでは、データを投入してグラフを表示させるために、バッチ処理の実装が必要でした。その分の開発コストや開発期間が想定以上にかかっていたように思います。また、運用を続ける中でデータ量の増大に伴い、分析の際、データが画面に表示されるまでに1分以上かかってしまったり、顧客ごとにデータの項目が異なるために後から追加の機能が必要になるなど、データの管理だけでも苦戦する場面がありました。

 このような経緯があり、 ITに詳しい知人に相談したところ、データレイクの考え方を学び、Elasticsearch/ENdoSnipeのことを知りました。その際にアクロクエストとも出会いました。

Elasticsearch/ENdoSnipeを導入したことによる効果


 Elasticsearch/ENdoSnipeを導入したことで、データのスキーマを意識しなくなったことは非常に大きいです。
 RDBも候補に挙がっていましたが、農業という分野の性質上、顧客に応じてデータの項目が異なるため、RDBで処理すると、必要なデータ項目が増減することが課題となるだろう、ということは明らかでした。

 Elasticsearch/ENdoSnipeを活用することで、データ項目の増減を意識せず、柔軟な開発が可能になりました。また、データを見える化するまでのスピードも向上し、リアルタイムでの経営分析を実現することができるようになりました。

アクロクエストを選んだ理由


 まず、Elasticsearch/ENdoSnipeの経験が豊富である点です。実際に、 Elasticsearch/ENdoSnipeのパフォーマンスを最大限に発揮できるノウハウにより、データの一次集計時点から対策することもできました。また、既存のBIツールにとらわれずに、見たい情報を置き換えていくことができました。データを投入し、可視化できるまでに、スピード感がありました。このスピード感は、システムの開発にも良い効果をもたらしています。

 また、実プロジェクトの中では、アジャイル開発で進めることができ、業務を理解してもらいながら、その先のサービスの方針などを一緒に検討できたことが非常に良かったです。開発リーダーの石田さん(アクロクエスト)が、テラスマイル側の担当者と、頻繁にコミュニケーションを取って進めてくれたのも助かりました。意思疎通がスムーズにでき、システムの構築が可能となったので、今後はより強固な開発がすすめられると期待しています。

 私が大学院で経営学を学んでいたころに、星野リゾート様の考え方を継承していました。
テラスマイル立ち上げの際にも星野リゾートの思想を取り入れていました。アクロクエストは、その考え方に近い思想を持っており、加えて弊社のCTOからの推薦もあったため、一緒にお仕事させていただいて、良かったと実感しております。

RightARMの今後の展望


 農業というまだまだアナログな業界に、デジタル革命を起こしたいと考えています。
 現在の農業では、何を作るのかわからないままに、就農することが多々あります。需要と供給をマッチさせることで、就農する人たちが適切な農作物を選択できるようにしたいです。

 日本全国の農業を見える化することで、就農する人たちが自立的になることを目指しています。その中でもRightARMがアグリテックという分野のギアになるような存在にしたいと思います。

お客様概要


お客様名 テラスマイル株式会社
代表取締役 生駒祐一様
Web https://www.terasuma.jp/